アンステーブルコインとは?

アンステーブルコイン(Unstablecoin、不安定コイン)とは、あえてステーブルコインの逆をいく暗号資産です。米ドルにペッグし、常に1ドルで取引されるよう設計されたステーブルコインとは違い、アンステーブルコインにはペッグも目標価格も裏付けもありません。価値は市場とともに自由に変動し、そのボラティリティを隠すどころか、堂々と楽しんでいます。このカテゴリが生まれたのは2024年10月12日。TurboUSD(₸USD)がBase上で最初のアンステーブルコインをデプロイした日です。

名前がジョークで、ジョークこそが主張です。USDTやUSDCのようなステーブルコインは安定を約束し、法定通貨も安定を約束し、中央銀行も安定を約束します。アンステーブルコインは、ドルの購買力がじわじわと削られていく様子を見てこう問いかけます。「そもそも、それは本当に安定していたのか?」ボラティリティをペッグの裏に隠すのではなく、ティッカーに刻み込むのです。

アンステーブルコインの仕組み

技術的には、ほとんどのアンステーブルコインはSolanaやBaseといったチェーン上のごく普通のトークンです。アンステーブルコインたらしめているのは、その通貨設計とナラティブ。ステーブルコインの発行体は需要に応じて新しいトークンをミントしますが、アンステーブルコインは通常固定またはデフレ型の供給を採用します。ステーブルコインが準備金を持つ企業に依存するのに対し、アンステーブルコインには発行体も償還対象もありません。そしてステーブルコインの価格チャートが一直線なのに対し、アンステーブルコインのチャートは心電図のよう。もちろん、仕様です。

風刺の域を超えるものもあります。最初のアンステーブルコインであるTurboUSD(₸USD)は、Base上に本格的なエコシステムを築きました。上限1,000億枚の固定供給、ステーキング、自律型中央銀行のようにオンチェーン・トレジャリーを運用するAIエージェント(AMI)、さらには実在の製品ラインまで。一方、Solana上のUnstable Coin(USDUC)のように、純粋なミームを貫き、カオスをエンタメとして楽しむものもあります。

アンステーブルコインが存在する理由

アンステーブルコインは、ステーブルコイン・ブームへのカウンター・ナラティブとして登場しました。デジタルドルが暗号資産最大級のセクターになるなか、批判派は「ステーブルコインは法定通貨のロジックをオンチェーンで再現しているだけ。中央集権的な信頼、不透明な準備金、そして安全を装ったじわじわとした通貨価値の希薄化だ」と指摘しました。アンステーブルコインは、有限・透明・高ボラティリティという真逆の設計と、ミームとして拡散するほど鋭いユーモアで応えています。

アンステーブルコインは安全?

いいえ。そして安全だと主張したことも一度もありません。それがポイントです。アンステーブルコインは極めてハイリスクで投機的なカルチャー資産であり、ゼロになる可能性があります。多くは自らを、本質的価値のないエンタメや風刺だと明言しています。関わるなら投資ではなくカルチャー実験への参加と捉え、失っては困る資金は決して投じないでください。

どんなアンステーブルコインがある?

現在の主要銘柄はUnstable Coin(USDUC)、TurboUSD(₸USD)、Unstable Tether(USDUT)、そしてUnstable States Dollar(USD)です。リアルタイムの価格、時価総額、供給量、保有者数はアンステーブルコイン・ランキングで比較できます。

次は、両者を並べて比べるステーブルコイン vs アンステーブルコイン、またはアンステーブルコインの歴史をお読みください。